iScanHD+のレポートです。

iScanHD+の最大の特徴は出力解像度とフレームレートが選べることとSDI入力(オプション)が可能なこと。
ビデオ素材は60Hzが良いですが、フィルム(映画)は24コマ/秒なので、48Hz(PALは50Hz)、または72Hzにすると動きがなめらかです。(HTPCでも同様のことができますが、HTPCは60Hzと72Hzの差がほとんどわかりません)
解像度の選択ですが、使うモニターに大きく依存しますが、SONYのプロジェクター(VPH-1292、G70、D50)では1080p/48Hz出力が一番良かったです。三菱のLVP-2001は1080i(540p)/60Hz、576p/72Hzが良いです。
同期信号の設定はBi-Level、またはH/Vの±、Compsite(バルコ用?)でプロジェクターにあわせて設定。

iScanHD+を最新ソフトウェアにアップデートして設定のUser ModeをAdvancedに変更すると、入出力の設定が4種類メモリーできるようになります。またDVI入力がHDMIの480iに対応します。
アップデート後に時々不具合が発生するようです。(フレームレートが72Hzの状態で出力解像度を変更すると不具合がでるようです)
画面が出なくなったりエラーコードが出る場合は、ACアダプタを抜き差しすると直ります。それでもダメな場合は、Factory Defaultで初期状態に戻して再度設定してください。

DVDプレーヤーの出力は480pより480iに設定して入力したほうが良いです。また、気になっていたDV-12S2改のクロマエラーも改善されました。(480pで入力して60Hz以外で出力するとコマ落ちしたような画面になります)

こちらは海外から個人輸入したのですが、コンポーネント入力時、入力する機器のセットアップを7.5IREに変更しないと黒が潰れます。機種によってはDVDはプレーヤー側の設定でセットアップを変更できるのですが、セットアップが調整できない機種は黒が潰れます(なぜか、ビデオ入力とS入力は0IREで正常に映ります)。iScanHD+のBrightness調整を+6にすれば黒潰れは改善しますが、少し情報がなくなるようです。(国内で販売されているiScanHD+も確認しましたが、同様にコンポーネント入力時に黒が潰れました。
また、ビデオ/S入力は良くないです。コンポーネント出力付のDVDレコーダーなどで変換してコンポーネント入力で見たほうが綺麗です。
コンポーネント入力でも、接続する機器によってかなり画質が違います。DVDプレーヤーはクロック交換した効果がよくわかります。
HDCP対応のDVI(HDMI)入力付のモニタがあればDVDプレーヤーのHDMI(HDMI)出力を入力してDVIで出力することができます。DVI(HDMI)入力のBrightness調整は0に設定。

iScanHD+にSDIボードを追加した画像です。背面にBNC端子を取り付け、画面中央付近にSDIボードを取り付けるだけでSDI入力対応になります。

国内ではSDI出力の機器はありませんが、海外では改造されたものが販売されています。海外で販売されているSDI出力付のDVD-3910をSDI接続で見ましたが、クロック交換したプレーヤーのコンポーネント接続より綺麗でした。
また、BT656Proを使えばほとんどの機種で改造可能です。こちらで使っているDV-12S2もBT656Proを使ってSDI出力に改造しました。
*DVD-3910はBT656Proではなく、BT601Proになります。
SDI出力に改造致します(終了しました)
改造工賃は30000円(BT656Proはお客様のほうで手配してプレーヤーと一緒に送って下さい)。
DVP-S9000ESなど古いプレーヤーでも改造可能です。
(改造実績:DVP-S9000ES、DV-12S2、DV-S969AVi、DVD-S97、DV9500、DVD-3910*DVD-3910はBT601Proを使用)

BT656Proですが、DVDの8BitのデジタルデータをSD-SDI信号(NTSC:480i/60Hz、PAL:576i/50Hz)に変換するボードです。D/A変換する前のデジタルデータをiScanHD+に入力できます。
SDIのメリットですが、余計なD/A変換、A/D変換がなくなり、高画質でDVDを見ることができるようになります。

SDI入力時の設定
・BT656Proはセットアップの補正を行っているようです。(セットアップを7.5IREにすると黒が浮きます)
国内のプレーヤー(0IRE)の場合はiScanHD+のBrightness調整を-1に設定。

こちらではアナログ出力で使用。1080p/72Hz(アナログ、NTSC)、1080p/75Hz(アナログ、PAL)に設定して使用しています。

IFB-HD(V1.32〜)で使用する場合は出力をDVI PCにしたほうが綺麗でした。
こちらでの設定値(SDI、DVI入力時):1440x960(NTSC)、1440x1152(PAL)で使用、出力はDVI PC、Brightness:-1、Contrast:0(SDI、DVI入力時)
1440x960は72Hzでも綺麗に見れました。1440x1152(PAL)の75HzはIFB-HDが対応しない周波数の為見れません。

IFB-FULLHDで使用する場合は出力をDVI VIDEOにしたほうが綺麗でした。
こちらでの設定値(SDI、DVI入力時):1440x960(NTSC)、1440x1152(PAL)で使用、出力はDVI VIDEO、Brightness:-1、Contrast:0(SDI、DVI入力時)
1440x960は72Hzでも綺麗に見れました。1080p/72Hz(75Hz)、1440x1152/75HzはiScan HD+では見れませんでした。

*DVDの解像度は720x480(PALは576)ですので、1080pより1440x960(PALは1152)ほうが変換ミスが少ないです。また、NTSCはフィルム(24コマ)の2倍(48Hz)、3倍(72Hz)で見たほうが60Hzより動きが動きが滑らかです。PALはフィルム(24コマ)をそのまま25コマ(50Hz)で再生する為画質が良いのです。但し、4%速く再生されます。

iScanHD+の画像(1080p/48Hz出力、480iコンポーネント入力)


iScanHD+の画像(720p/72Hz出力、480iコンポーネント入力)


iScanHD+の画像(1080i/60Hz出力、480iコンポーネント入力)


おまけとしてSONYのQUALIA 001の比較です。
QUALIA 001もYPbPrとRGBの出力ができますが、同じ条件ということでYPbPrで接続。
傾向は違いますが、どちらもハイビジョン並みの高画質。クッキリしたQUALIA 001に対してiScanHD+はアナログ的?。
現時点で出力が1080i/60Hz固定でPALも入力できないQUALIA 001には魅力を感じませんでした。色もiScanHD+のほうが好みでした。

QUALIA 001の画像(1080i/60Hz出力、480iコンポーネント入力)


QUALIA 001の特徴として1080i入力を加工して良くする機能がありますので、その比較。
静止画では圧倒的にQUALIA 001を通したほうが良いのですが、映画を見るとデジタルっぽい画質に。オリジナルでは近くから遠くへ徐々にボケて見えるのですが、QUALIA 001だと徐々にというのが無い感じ。距離感があまりありません。

DV-HRD200の画像(1080i/60Hz出力、オリジナル)
注:SONYの3管でD-2001+DV-HRD200の組み合わせで見るとホワイトバランスが崩れるので3管側で補正しています。


QUALIA 001の画像(1080i/60Hz出力、1080i入力)
デジカメ(DSC-W1)が悪く画像では差がわかりませんが、肉眼でみると解像感が高いです。

 

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